準備した徳之輔講演内容
平成17年4月24日(日)予定していた講演内容1
明海大学不動産学部教授長谷川徳之輔05.4、24
中心市街地の衰退、活性化と沼津駅周辺整備事業鉄道高架化にっいて
地方都市における中心市街地の衰退は共通しているが、沼津市は特に深刻、国土交通省が実施した「全国666団体に対するアンケート調査。中心市街地の活性化の要因と方策に関するアンケート調査」によると、大変深刻である26.3%、深刻である54.9%と80%を超える自治体が空洞化という事態になっている。特に、人口5万人から20万人の中都市では、27%が大変深刻でありとされており、沼津はその典型であろう。
日本の人口の推移人口ピ一クは2006年12,774万人、2030年に11,758万人2050年に10,059万人と半世紀で3000万人減少沼津市の人口1も17,8万人になるのは必至である。世帯数も2015年がピーク、2025年4964万世帯高齢者世帯の増加、2030年に東京圏ではほぼ2倍に、地方圏では1.5倍に増加。新規住宅需要なし。
人口減少が進んでいる自治体での住宅の立地は、全国平均で、主として郊外部に立地が64.6%、人口5万から20万人では、64.2%と3分の2が郊外に立地する。大変減少している自治体では、69.6%が郊外部立地であり、郊外部、中心部ともに立地が進んでいない自治体が24.2%もある。大変新深刻である自治体では、80%が主として郊外へ立地している。特に問題のない自治体では、郊外部、中心市街地ともに住宅が立地している。公共機関が郊外へ転出した自治体、公立病院、市役所、公立学校が郊外へ立地している自治体は衰退しており、沼津市も例外ではない。市立病院、沼津東高校、沼津商業高校、歴史博物館すべて郊外へ転出している。特に病院が郊外移転した自治体では、大変深刻が34.5%、深刻が62.1%、97%が深刻な事態になっている。沼津市立病院も同じ、富士市との合併を考えたのか。
日用品の買い物の場所は、地方の中核的な都市では、中心市街地の商店が2.3%、中心市街地の大型スーパーが20%、市民の4分の1も中心市街地を利用していない。4分の3は郊外の大型スーパーである。日用品以外の買い物の場所は、地方の中核的な都市で、中心市街地の商店は7.3%、中心市街地の大型スーパー、百貨店が41.6%、中心市街地での買い物は半分に満たない。
市民が住んでいる町の望むことは、中心市街地に公共施設が集まって便利なこと、中心市街地が徒歩、自転車で安心して交通できること、中心市街地に多くの商店が集まって便利なことをあげており、中心市街地の活性化を望んでいる。今後の街づくりの方向として、大変深刻である自治体では、既存の中心市街地に都市機能をコンパクトに集約して、郊外部への拡大を抑えることが62.8%と3分の2であり、特に問題のない自治体の18%とに大きな格差が見える。都市づくりへの市民の見方は、中心市街地の復権である。
沼津の復権への提案岡目八目のアイデア
世界一のスイタリアの沼津
沼津は世界一、自然条件、生活条件に恵まれている。温暖で雪を見ない。東京まで1時間で行ける。富士山の3700メートルから駿河湾のマイナス3500メートルまで7000メートルの標高差の自然がある。アルプスのスイスと地中海のイタリーが共存している環境であり、スイタリアも言える場所である。
7000メートルにはそれに相応した自然や食物がある。富士山でスキーをして、1時間以内に駿河湾でダイビングができる。家から1時間以内で温泉、ゴルフ場、つり、ヨット、美術館、文芸館を楽しめる。午後から空いたゴルフ場でワンラウンドなど沼津なればこその楽しみである。明日は、海でヨットを楽しもう。天城山のわさびで、駿河湾の海の幸を楽しめる豊かな食文化がある。小学校の校歌には海、川、山、それに空の4番まである。世田谷の小学校では自然は歌えない。沼津はまことに幸せな町である筈である。
土地をただで提供して3方1両得の再開発
中心市街地の復権には、大手町、本町、上土の中心部に歩いて生活できる住環境を整備することである。ナティー式に中層の住宅を整備し、高齢者の住まい、若年者への賃貸住宅を整備する、それには、土地を只で利用できるようにすることである。ゴーストタウンの街中の土地、今は駐車場に使われているが、全部を駐車場に利用できるわけではなく、何らかの利用を考えなければなるまい。土地持ちが協力して士地をただで提供し、借地料を収入にする。そこに民間企業が高齢者ホーム、民間マンション、商業施設などを整備する。土地代抜きの投資ができる。お客には東京とのダブル生活の市民を考えよう。沼津出身の定年退職者を集めてもよい。市は土地にかかる固定資産税収入相当額を地主に還付してやる。地主は加えて借地料を確保できる。土地をただ遊ばせておくより、よっぽど得なはずである。市は住民税、建物の固定資産税を確保できる。入居者は、土地代の参入されない安い住宅に入居できる。三方1両得である。
2万円、沼津グルメの24時間の旅
都会人に2万円、24時間の旅を演出するのだ。東京で仲間の同窓会をしても2万円はかかる。それも夕方の2時問足らずである。彼らに沼津へ一泊2日で2万円の旅を提供しよう。それもグルメ、お土産つきの旅である。夕方新宿から団体であさぎりに乗る。往復で3820円。団体料金ならもっと安いだろう。
沼津へ着いたら東急ホテルに宿泊しよう。一泊6500円。夕食は港湾のすし屋で3000円、次の朝寿司も1000円、お昼は御用邸を見て、長岡へ日帰り温泉に行こう。ゆっくり温泉を楽しんで1000円。昼食は少し遅いが、三島広小路でうなぎを楽しもう。豪華なうなぎでも3000円で足りる。これで1万7320円、まだあまっている。沼津に戻ってお士産に干物、シラスを買おう。2000円で十分だ。あわせて、19320円、まだお釣りがある。1000円足して、前の晩は沼津のスナックでカラオケでも楽しんでもよい。夕方のあさぎりで東京に戻れば、夕食に沼津の干物が食べられる。ただ、問題は沼津での足代である。東急ホテルから、御用邸公園、長岡温泉、三島に行き、沼津に戻る足をどうするかである。一日当たり100人の客として、200万円の観光収入が沼津に落ちる。年間売り上げ6億円になる。観光宣伝であるから、一日2台、昼間は空いているバスを市役所か観光協会が無料で提供するのである。
鉄道高架化事業に多額の税金を使う前に、沼津の活性化、復権のために、簡一単に、安くできる、こんなことを考えてもいいのではないのか。
その2
沼津駅鉄道高架化問題を考える部外者の率直な意見
(市長選拳の争点)
10月の沼津市長選挙の争点は、沼津の衰退の要因のひとつが、鉄道線略で南北に市街地が分断されているからであり、都市再生には東海道線、御殿場線の高架化が必要だという鉄道高架化事業推進に対して、財政事情の悪化や高架化事業の効果からしそ従来の鉄道高架化計画を考え直すべきとする都市再生論争であった。市長選挙を舞台に市民全体のホットな論議が期待され、結果的には、計画推進の現市長の斎藤氏が市民の支持を得て当選し、計画撒同の前市長の楼田氏は支持を得ることができなかった。しかし、その支持票は3万6千票と3万4千票という2,000票の僅差であり、高架化事業についての市民の標価は2分されたといってよい。どちらが選択されたのか明確とは言い難い。選挙が終わっで冷静になった今、この事業の重要性に鑑みて、沼津の将来のために、次の世代のために、改めて、オールオアナッシングではないポジティブな論議、沼津の都市再生、南北交通円滑化、そのための鉄道高架化の望ましい計画のあり方を論議する必要がある。
(情報公開)
市役所も広報で鉄道高架化事業の計両、現状について市民へ情報を公開し、市民から計画の評価や意見を求めている。市役所としては、立場上どうしても高架化が必要という現状雛持的な説明になりがちであるが、立場にこだわらず、市民から積極的な計画の提案や評価をもっ広く集めて、集約して市民的合意を形成いく必要があろう。反対論、批判論など市当局にとって部合の悪い情報も公開する必要がある。
市民にもこの問題への関心が高く、どのような事業が望ましいかさまざまな視点での論議が行われており、賛成派、反対派の団体の活動もあり、活発な市民運動が行われているという報道もなされている。何事にも消極的、退嬰的な市民性からは、驚きであり、その昔の公害反対運動の再来かとも思える。
対立する立揚の論議ではない、専門家、リーダーとしての前現市長の論議を市民ではない部外者の私(長谷川)の立場で、今回の政策論が奇妙に見えたのは、高度経済成長時代に今の計画を作成した前市長の桜田氏が計画の撤回を主張し、その後始末をゆだねられた現市長の斎藤氏が計画を推進すべきとしている姿勢である。本来であれば、桜田氏が促進を主張し、斎藤氏が見直しを主張するものと思えるが、反対なのはどのような意図で、どのような市民の支持で、そのような立場になり、そう主張するのか、奇妙なねじれ現象であり、外から見ると理解に苦しむ。両氏には、選挙での対立のための対立と
いう論争ではなく、国土間風都市問題の専門家として、また、市長経験者として大局的な端に立うての望ましい計画あり方を集約し、市民合意のあり方を示すという姿勢が求められたのではないのか。
(橋上駅の提案)
広報を見ると従来の高架化計画に対して、東面に鉄道線路を高架化するのではなく、ガードや高架道路の整備で南北に交通路を縦断させる沼津駅周辺の開発計画、駅舎、道路を線路上に整備する橋上駅計画の提案も行われているようである。誰がどのような立場で提案して、この論議がどのように行われたのか、広報からはよく分からない。ただ、広報に見える市役所の評価では、橋上駅案のいくつかの間題点を指摘して、橋上駅の提案を否定している。いささかの専門家である私の立場から見ると、市役所の説明では、せっかくの提案に対する難癖付けともいえる環末の問題点の指摘であり、その本質である財政問題やコストベネフィットの視点からの比較評価に欠けている。市民の閑心はここにあり、市役所も本質的な間題を避けてはならない。
(元建設省の役人、現明海大学不動産学部教授二人の先輩の立場でのコメント)
私(長谷川)の見方は、どちらかに味方するのではなく、沼津の将来像や市民の負担という視点から、どのような計画が望ましいかということを第三者的に考えることである。
少し客観的にこれらの計画を評価してみたい。
従来の鉄道高架化計画は、大都市での鉄道連続立体事業が求められた高度経済成長期、財政事情がよかった時代の産物であり、事業経営を重視する鉄道の負担ではなく国、自治体の財政負担で高架化を促進するシステムを前提にしていたものである。これは大都市での鉄道の複線化、高架化に大きな成果を挙げている。今でも小田急線、JR中央線は高架化事業の最盛期である.しかし、この10年で経済情勢は激変している。財政危機はいっそう深まり、国地方とも緊縮財政は必死の情勢にある。大部分を道路整備事業のような財政支出でまかない、経営採算性の要らない鉄道高架化事業の進め方は、曲がり角にある。今ならこのような経済環境の変化に対応して事業の成果、採算性、財政負担などを見据えた計画の再検討ができる。
国や県の財政再建対策の方向、沼津市の長期的な財政事情の変化など、この数年で鉄道高架化事業をめぐる環境は大きく変化し、現状を見据えた論議が必要となっている。都市計面で決まったことだから、やみくもに推進するという徒来の公共事業のやり方は、行政改革として無駄な事業はやらない、従来の計面も再検討するという方針が示されている。
鉄道高架化事業についても、感情的に高架化事業を中止する、逆に面子上これまでの計画を推進するという両極の選択ではなく、どのような事業が沼津の都市再生のため、財政事情から必要なのかという視点から、改めて、市民的な論議で見直すことが必要ではないかという立場で考えてみたい。いくつかの問題点を指摘し、私なりの群価をしてみよう。
(1)鉄道高架化事業とこれに伴う諸事業のポイント、問題点
事業の目的
南北交通の円滑化、駅周辺の活性化、都市再生への中核機能と補完機能の整備
事業のポイント
鉄道高架化事業都市計画(平成15年決定)では都市高速鉄道東海道本線延長15キロうち高架化する廷長2.8キロ御殿場線廷長2.4キロ高架化する廷長1.35キロ貨物駅整備延長2、1キロ面積11、8ヘクタール新車両基地延長1キロ面積5.9ヘクタール工事期間20年工事費823億円旧国鉄用地3ヘクタール土地区画整理事業(都市再生機構)高架下などの市街地整備中核機能として情報発信機能、広域的交流拠点施設、高度教育施設、高度余暇機能、行政サービス機能補完機能として商業施設駐車場整備事業費416億円南北7本の道路整備13箇所の踏み切り撤去北口駅前広場9、500平方メートル南口駅前広場11、200平方メ一トル公園整備14,600平方メートル、幹線道路4.9キロ関連道路9.6キロ沼津駅周辺総合整備事業大手町地区第1種市街地再開発事業面積19、212平方メートル事業費484億円総工事費1823億円うち沼津市の負担633億円年間30億円から40億円
(2)橋上駅整備事業誰の提案か分からないが?
目的
南北交通の円滑化、駅周辺の整備、旧国鉄用地3ヘクタールの有効利用
事業内容
三つ目ガードの整備(2車線)と中央ガード(4車線)の整備、南北に縦断して線路上、人工地盤に新駅舎を整備南北の人、車の横断交通に対応中心機能は南北交通円滑化、駅舎、事務所、商業施設などの整備駅前広場人工地盤南口11、450平方メートル北ロ11、200平方メートル(3ヘクタールの土地区画整理事業)幹線道路(ガード、橋上部分900メートル関連道路整備1300メートル)
事業費、工事期間、財政負担区分は不明であるが、高架化工事はなくその数分の1の規模からして事業費は高架化事業に比べてかなり小さいと思われる。ただ、事業主体が静岡県ではないために、沼津市の負担は相対的に大きくなるかもしれない。市役所の担当者で計算してみてはどうか。
(3)鉄道高架化事業の問題点
本来南北交通の円滑化が目的であるが、全体計画は鉄道高架化による都市開発効果を大きく見ており、その目的は期待値に終わりかねない。都市開発効果として、旧国鉄用地3ヘクタールに加えて、高架下の利用で4.7ヘクタールが創出されるとして、その利用目的に中核機能として、高度情報発信機能、高度教育機能、高度余暇機能、高度行政機能などを上げているが、高度というだけで、その事業内容、必要性、規模、費用などが極めて不明碓であり、さらに補完機能として商業施設や駐車場を整備するとしているが、そもそも中核機能のみならず、清算事業団用地3ヘクタールに商業施設などの補完機能としての利用可能性、フィージビリティーがあるかどうかさえ分からない。成熟停滞するこれからの経済社会に比べて、あまりに右肩上がりを前提にしすぎてはいないか。
衰退する大手町、上土町の中心性、商業機能を維持するには、中心市街地の再生が不可欠、人口は停滞減少、集客が増えない環状では駅周辺に新たに商業機能が集積すれば、中心市街紬はさらに衰退を重ねるであろう。そもそも駅南が衰退するのは、鉄道がバリヤーになっているからではなく、人口分布、生活パターンからも駅北のポテンシャルが大きく、駅北の市民が駅南に来る必要性がないためでもある。イトーヨーカ堂、Sポットなどの商業機能の集積、市立病院、バイパス、高速道路などの自動車の便を見れば、わざわざ南へ来る必要はない。南の旧中心市街地の活性化には、安価な住宅の供給などで歩いて生活できる町を整備して、高齢者など定着人口を増やし、文化機能や数育機能を充実し、魅力ある市街地を整備するしかない。3ヘクタールの清算事業団用地にしても、ここに高容積の土地利用計画を設定して商業施設やオフィスを導入するにしても、需要には限度がある。
3000人の生徒数がある三島の日大高校を誘致して規模の大きい教育施設にするとか、キララメッセ、都市公園などの公共施設を中心に利用するしかない。
人ロ増加の終焉,経済商業活勤の鈍化、願客の東京集中などをみれば、鉄道高架化の効果、便益を大きく見て、高架化による10ヘクタールもの土地創出を前提に大規摸な都市開発を計画することは無謀というしかない。総事業費は1823億円としているが、公共事業の常で投費額を最初は低く抑えて、最後に引き上げるという数字になりがちであり、確定したものではないだろう。この額は高架化事業、公共施設整備費、土地区画整理事業などの基盤施設の費用であり、多分建築物などの上ものの費用は計算されていないであろう。民間投資がついてくるのか、民間投資分を含めて全体費用を計算し、その投資可能性を検証する必要がある。
南北交通の円滑化を主体にするなら、高架化事業と橋上駅事業の効果の差はそれほど大きくはあるまい。南北に7本の幹線道路を入れるとしても、旧市街地に南北の幹線道路を整備することは難しいし、結局現在の三つ目ガード、中央ガード、駅西のガードを充実するしかないだろう。13箇所の踏み切りの撤去がどのくらいの効果があるのかも不明である。
橋上駅、人工地盤に対する市役所の見方は、客観性にかける。市役所は橋上駅の問題点として、三つ目ガードは2車線では混雑緩和にはならない。中央ガードは道路の勾配が道路構造令に合わない。歩行者、自転車の回遊性に欠けて、負荷がかかる。踏切が残る。などの指摘はきわめて技術的な環末な指摘であり、その問題点はどのように設計したら解消するのかを専門家として考えてしかるベきではないのか。アイデアとしては南北交通を地下ガードと橋上のデッキのダブルにして双方を一方交通にするなどを考えてもいいのではないのか。駅広場を利用して出入りロをループ状にする道路を考えてもいい。
橋上駅では南北市街地の一体化、新たな都市機能の導入ができないという指摘は抽象的に過ぎる。高架化事業と橋上駅事業とをコストベネフィットを含めて具体的に比較して、その効果を論じることが必要である。そもそもその本質論であるが、鉄道高架化にしても都市再生への成果は疑問である.他の都市での実情、品川駅周辺では、東西間の交通はきわめて問題が多いいが、高架化にしろという声はまつたくない。中央線や小田急にしても、高架化は複々線化が前提である。新幹線駅が整備された新潟駅、長野駅も駅周辺は線路を横断する橋上駅であり、交通をさばいている。また、工事費、工事期間などについて不明確としているが、市役所の専門家が計算して明示してみることが必要である。その上で、両計画の比較をし、さらによい案があれば導入していくようなブラス思考が求められる。
鉄道高架化事業の工事期間は財政上からも少なくても20年を越えるものと想定されている。幸いにして財政支出が円滑に進み、進行に応じて部分的に工事ができていても、全線15キロの工事が完全に完成しなければ、東海道線、御殿場線の走行線路を変更することはできないのだから、厳密には20年間は南北交通の円滑化はできないことになる。工事方法は明示されていないが、現在の線路の上に作るのか、線路に平行して臨時の線路を作るのか、いずれにしても鉄道の運行は平面交差が続くと思われるが、その場合には、暫定的に三つ目ガード、中央ガードの整備をしておかなければならず、2重投資になりかねない。そうであれば、まず、橋上整備案を進めて、南北交通問題を少しでも早く解消し、事業の進捗に応じて事業環境を考えた上で、計画を追加していくほうが現実的ではないのか。なぜ計画の内容によっては不必要となり、事業全体が完成した後でなければ機能しない貨物駅、車両基地の整備を急ぐのかよく分からない。さらに20年先の陸上交通の分担で、自動車輸送の比重が高まるときに、何故東京近郊の沼津へ大規模な貨物の鉄道施設が必要とされるのか、よくわからない。
鉄道高架化は、大都市の旅客の輸送状況から平面交差を立体交差にすることによって、人車の交通の安全、輸送効率の向上、土地利用の効率化などを目的としたもので、費用対効果から鉄道を連続的に高架化することが必要という見方から、道路サイド、公共の負担(96%から86%)によって事業が進められるもので、すでに数箇所の事業が完成し、300キロの高架化が完成し、1200箇所の踏切が解消されている。大都市の人口密集地域、鉄道交通量が極めて大きい地域に適用されたもので、本来的に大都市対策である。現在での中心はJR中央線、西武線、小田急線などであり、その必要性は高く、早期の完成が待たれている。地方都市での事業も採択されているが、箇所は限定されており、静岡県では、浜松の遠州鉄道の事業が進められているだけである。高架化の効果から見れば、地下ガードで交通処理ができている沼津より、駿豆線が市街地を東西に分断し、中心の広小路にすら立体交差もない三島の市街地での必要性が高かろう。
当面の財政状況からもっぱら国、自治体の財政負担で事業を進めようとする連続立体事業がさらに大きく進められていくことは期待し難しいであろうし、事業の必要性からは、遅れでいる大都市の連続立体化に集中的に投資を進める必要性が高まり、地方都市に予算が投入されることが難しい状祝にあるものと思われる。
(4)最大の問題点、何を一番に考えなくてはならないか。
鉄道高架化の最大の問題点は、その事業の費用対効果であり、事業費の負担の財政的フージビリティーである。2000億円を超える投資をして、最終的に鉄道高架化に期待している効果が達成できるのか。国、賑、市の将来の財政事情からして本当に20年で完成するのか、沼津市の将来計画で何年かかるのか、その費用を他の投資に投入した場合(例えば下水道事業など)にどのような効果の差になるのか。高架化事業の総工事費は、1823億円、20年の工事期間で年間90億円から100億円、財政事情が悪化している国県が毎年この額を支出できるのか、市負担は633億円、年間32億円になるが、市の財政規模は年666億円、都市再開発事業費は年19億円、その2倍の費用を20年間支出し続けられるのか。どのような計画にしたら最少の費用で最大の効果が得られるのか、どのような順序工程で事業を進めるのがいいのか。折角の橋上駅整備、人工地盤の提案もあるので、それとの比較やあるいは、それを採用した高架化計画を改めて検討して、市民が納得できる、共感できる事業計画を二人の前市長、現市長が知車を出しあって考えてもらいたいのである
長谷川徳之輔明海大学不動産学部教授
沼津出身1936年生まれ 沼津東高等学校第7期 東北大学卒業 1959年建設省採用道路、都市、水資源、下水道などを担当 1984年建設経済研究所 1994年明海大学不動産学部専門建設経済土地不動産間題、
沼津市内に住宅保有週末生活沼津に沢山の友人知人固定資産税納付定年後帰郷居住予定